読書体験で育んだ、心の中の小さな世界

今、私は子どもの日本語教師をしていますが、以前はレゴのインストラクターや子ども向け情報誌の編集をしていました。振り返ってみると、私のキーワードは「子ども、世界、ことば」。この3つがキーワードとなった背景の一つに子どもの時の読書体験が挙げられます。

小さい頃、絵本を読むのが大好きだった私。今でもよく覚えている絵本は、どれも私の父が選んでくれたものです。父とは中学生のときに離れて暮らすことになり、その後絵本の話をすることはできなかったのですが、私のために選んでくれた絵本を振り返ると、そこには何かメッセージがあるような気がしています。これまで父の思いなど考えることなく過ごしてきましたが、子どもの頃の読書体験が今の自分を作っている大切な一部だと気づき、感謝の気持ちです。

当時好きだった絵本をちょっと書き並べてみますね。

  • Richard Scarry 『Best Word Book Ever』(日本語版だったと思います)
  • ピエール・プロプスト『カロリーヌとゆかいな8ぴき』シリーズ
  • アストリッド・リンドグレーン『ロッタちゃんのひっこし』
  • 小学館『世界の童話』シリーズ

これらの本は何度も何度も繰り返し読みました。いつのまにか手元からなくなっていて、我慢できずに大人になってから書い直した絵本もあります。『ロッタちゃんのひっこし』にいたっては、映画化された『ロッタちゃん はじめてのおつかい』を何度も見た挙句、スウェーデンのアストリッド・リンドグレーン・ワールドまで行ってしまいました。

たぶん私はこれらの絵本を何度も何度も読んでいるうちに、自分の中に小さな世界を作っていたのでしょう。その心の中の小さな世界を大人になっても失うことなく温め続け、自分の大切な一部分となったのだと思います。これからもそんな心の中の小さな世界を大切にしつつ、自分の仕事にも生かしていけたらと思っています。

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